共同通信杯3歳ステークス

今週末、東京競馬場のメーンレースは、
クラシックを占う上で非常におもしろいメンバーがそろった、
共同通信杯3歳ステークスです。
東京競馬場1800メートルと、中山のちょいと小回りなコースとは違う物の、
その後のダービーも見据えた、
今の時点での力を知るにはおもしろいレースとなりそうです。
メンバーも豪華です。
2歳チャンピオンに輝いた葦毛の逃げ馬、フサイチリシャール
ラジオ短波杯2歳ステークス二着のアドマイヤムーン
朝日杯フューチャリティステークスではフサイチリシャールの後塵を拝し、
復仇の年に燃えるショウナンタキオン
この三頭のマッチレースになろう事は必至です。
それ以外の有力馬も虎視眈々と皐月賞に向けて準備を整えていますし、
まずはクラシックの第一関門といったところと思います。
今年は特に昨年のディープインパクトのような抜きんでた馬がいないだけに、
予想をたてるのも非常におもしろいです。
個人的にはフサイチリシャールがしぶとく逃げ粘るんじゃないかとは思うんですが・・・
マイルは得意距離ではなかったショウナンタキオンがどこまで迫れるか、
アドマイヤムーンは坂のある東京に対応できるのかなど、
見所はつきません。今から日曜が楽しみなharuなのであります。

ふとテレビを見たとき、テンポイントの話題があったので、
久々に映像を見ました。泣きました。その当時、俺はまだ2歳かそこら。
全然覚えてなんていないんですが、いいものはいいですね・・・
競馬にロマンを感じるようになって改めてあのTTGを思い出し、涙します。
寺山さんがテンポイントを愛したのも、わかる気がするのです。

旅路の果て  寺山修司

もしも朝が来たら
グリーングラスは霧の中で調教するつもりだった。
こんどこそテンポイントに代わって
日本一のサラブレッドになるために

もしも朝が来たら
印刷工の少年はテンポイント活字で
闘志の二文字をひろうつもりだった
それをいつもポケットにいれて
弱い自分のはげましにするため

もし朝が来たら
カメラマンは昨日撮った写真を持っていくつもりだった
テンポイント
最後の元気な姿で紙面を飾るために

もし朝が来たら
老人は養老院を出て
もう一度自分の仕事を探しにいくつもりだった
”苦しみは変わらない 変わるものは希望だけ”
という言葉のために

だが もう朝は来ない
人はだれもテンポイントのいななきを
もう二度と聞くことはできないのだ

さらばテンポイント
目をつぶると
何もかもが見える

ロンシャン競馬場のスタンドの
喝采に送られて出てゆく
おまえの姿が

そして
人生の空き地で聞いた
希望という名の汽笛の響きが

だが目をあけても
朝はもう来ない

テンポイント
おまえはもう
ただの思い出にすぎないのだ

さらばテンポイント
北の牧場には
きっと流れ星がよく似合うだろう

  テンポイント
  1978年1月22日 京都競馬場
  日本経済新春杯 4コーナーで骨折
  3月5日午前8時40分 流星となり北へ帰る・・・

機会があったら、テンポイントトウショウボーイの墓に献花しにいこう・・・